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米市場にはびこる赤字会社、株高の裏で - ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

テスラの直近四半期は珍しく黒字となったが、通期では赤字だった(写真はマスクCEO、上海で) Photo: Ding Ting/Zuma Press

――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト

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 電気自動車(EV)メーカーのテスラはここ3カ月のうちに株価が2倍に急騰し、ゼネラル・エレクトリック(GE)も44%上昇した。両社は2大時価総額の赤字会社だ。長引く強気相場にもかかわらず――あるいはまさにそのために――赤字続きの上場企業の比率が高まっている。テスラとGEは似ても似つかないが、赤字企業増加の背景にある2つの潮流の典型例となる。テスラが示しているのは、売上高を伸ばしつつ創造的破壊をもたらす企業を支援したがる投資家の熱意だ。GEは、伝統的ビジネスで稼ぐのに苦労する企業が増えていることを反映している。もっとも、GEは第3の潮流には逆行している。その潮流とは、不人気の負け組の多くが、巨人の成長で閉め出された中小企業という現実だ。

 こうした潮流が合わさって、通期で赤字という会社が米上場企業に占める比率は40%近くに上昇し、リセッション(景気後退)後の一時期を除けば1990年代終盤以来の高水準となっている。

 今はリセッションでもなく、主要株価指数は過去最高値圏にある。というと恐ろしく聞こえるが、不安を感じるのは主に小型株の投資家だろう。

 投資家に人気の赤字会社のうち、最も大きいのはテスラだ。直近四半期は珍しく黒字だったが、通期では赤字となった。創業から12年の間、黒字となったのはわずか4四半期しかないものの、時価総額は890億ドル(約9兆7500億円)に達し、米自動車大手フォード・モーターやGMを合わせたより大きい。

 テスラを支援する投資家が目先の利益を心配しすぎないのは正しいことだ。投資家はEVブランド構築における同社の成功がはるかに高い売上高につながると考えているが、それには経費が掛かる。もちろん、カリスマ的なイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がその成功をもっと安く、波乱を起こさず達成するすべを見つけられれば、それに越したことはない。だが今のところ、最も大切なのは売上高の伸びだ(テスラが桁外れなバリュエーションを正当化できるほどの急成長を遂げられるか、筆者個人は懐疑的なのだが、それでも目下の利益はほとんど無関係だ)。

 テスラは大きな流れの一端を担っている。ソシエテ・ジェネラルでクオンツ調査を率いるアンドリュー・ラプソーン氏によると、3年ほど赤字続きの会社が米上場企業に占める比率は昨年、1990年代終盤のデータ収集開始以来の最高に達した。

 赤字に対する投資家の寛容さが最も鮮明になるのは、証券の新規発行時だ。フロリダ大学のジェイ・リッター金融学教授によると、昨年は新規株式公開(IPO)を実施した企業の4分の3が赤字会社だった。

 どういった企業が赤字なのだろう。米国ではその42%がヘルスケア企業だ。小規模かつ往々にして赤字のバイオテク銘柄の人気ぶりを反映している。さらに、17%はハイテク銘柄だが、その多くは流行の新ベンチャーだ。

 GEのような伝統企業に関しては、投資家は最近まで赤字に容赦がなかった。経済成長の低迷、消費者行動の変化についていけない手抜かり、そして資金の潤沢な「破壊者たち」が仕掛ける競争という組み合わせは、多くの企業を赤字に陥らせた。小型株では特にそうだ。こうした赤字は投資家に評価されない。

 GEの急成長時代はとうの昔に過ぎ去った。このため投資家は真剣に見極めようとし、株主が問題を認識した2016年以降、GE株は3分の2も値下がりした。

 GEはここ数カ月の低位株への資金殺到で恩恵を受けた筆頭株だ。GEだけではなく、これまで不人気だったさまざまな赤字銘柄も、いくらか下げ幅を埋めている。

 ここで見えてくるのが第3の潮流。すなわち中小企業の締め出しだ。赤字決算となった大手100社のうち、4分の3は過去12カ月に株価が上昇した。赤字の大企業は、投資家がさほど赤字を気に掛けないような成長銘柄であることが多いためだ。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、これは赤字の米企業全てのうち上昇銘柄が占める比率の41%を大きく上回る。赤字の中小企業は極めて厳しい状況に置かれてきた。

 時価総額で下位8割の企業では、3年ほど赤字続きの企業が増える傾向が長らく続いている。こうした赤字企業の比率は、過去の2度のリセッション後にいずれも上昇し、時間がたっても低下しなかった。その理由はもう聞き慣れたものだろう。多くの中小企業が大企業に圧倒され、市場から閉め出されて成長に投資する力を失ったのだ。

 競争減少でかなりの数の中小企業が利益を上げられず苦しんでいるが、投資家はその長期的な影響を考慮すべきだ。さらに懸念すべきは、成長を約束する企業の赤字を大目に見ることで、多くの新興企業が赤字を埋め合わせるための到底正当化できない資金調達を許されたということだ。

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