DSCC(Display Supply Chain Consultants)は2020年4月2日、2020年の世界フラットパネルディスプレイ(FPD)市場規模は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響によって面積が前年比6%減の2億900万m△△2△△、金額が同8%減の1011億米ドルになる、とする試算結果を発表した。いずれも同年1月時点の予測から下方修正する形になった。
DSCC(Display Supply Chain Consultants)は2020年4月2日、2020年の世界フラットパネルディスプレイ(FPD)市場規模は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響によって出荷面積が前年比6%減の2億900万m2、金額が同8%減の1011億米ドルになる、とする試算結果を発表した。いずれも同年1月時点の予測から下方修正する形になった。
欧米での感染拡大の影響、世界FPD需要が急減速へ
COVID-19の影響については、中国の春節休暇後しばらくは、工場の従業員の職場復帰困難、物流の停滞、部材不足など生産面やサプライチェーンに焦点が当てられていた。しかし、2020年3月以降、中国での生産状況が回復へ向かうのに相反し、COVID-19の影響が欧米で拡大。DSCCによると、都市封鎖による消費活動の激減、企業売上減/株価減少に伴う個人収入/資産の減少によって世界消費が大きく冷え込み、第2四半期のTVやスマホなどのFPD需要が世界的に急減速する見通しになってきたという。
DSCCの今回の試算では、2020年の世界TV市場は、販売台数が前年比10%減の2億3300万台に落ち込む見込みだ。ユーロカップや東京五輪開催の延期決定前の2020年1月時点の従来予測では同2%増としており、12ポイントの大幅な下方修正となった。
四半期で分けてみると、2020年第1四半期には販売台数が前年同期比15%減になると予測。特に中国市場において同27%減(2020年2月単独でみると同45%減)と大きく減少する見込みだ。中国内でのTVの店頭販売比率は、2019年第1四半期に55%だったというが、DSCCは、「2020年第1四半期にはその半数の需要を失い、店頭販売のシェアが40%以下に減少する」としている。
第2四半期になると中国市場が前年同期比5%減まで回復する一方で、欧米市場で同40%減、世界全体では同19%減となる見込みだという。各国の外出規制が緩和される時期が延期されれば、さらに減少の可能性もある。
こうしたTVの販売台数減(前年比10%減)に基づき、DSCCはTV以外の用途も含む2020年世界FPD市場規模は、出荷面積が前年比6%減の2億900万m2、金額が同8%減の1011億米ドルになると試算している。2020年1月時点の従来予測では、出荷面積は2億3200万m2、金額は1121億米ドルと予測していた。
「中国市場が早期回復、欧米市場の需要は落ち込み」というシナリオでは、中国市場に強いブランド/デバイスメーカーが生き残る一方で、欧米市場に頼っていたブランド/サプライチェーンが苦境に陥ることになるだろう。DSCCは、「FPD市場での日本は部材/製造装置で強みを発揮しているが、この場合、欧米市場で強い韓国FPDメーカーからの需要減は特に覚悟し、供給先の見極めに注力する必要がある」としている。
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2020年の世界FPD市場予測を下方修正、DSCC - EE Times Japan
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