パワエレ技術の優劣が
電気駆動システムの価値に直結
機器や設備、プラントなど、電気で動くあらゆるシステムの価値に、電源やバッテリー、駆動系回路など、パワー・エレクトロニクス技術の優劣が大きく影響を及ぼすようになった。いかに高度なデータセンターでも、必要な電力を安定的かつ効率的に供給できる電源がなければ、潜在能力を発揮できない。また、太陽光や風力など再生可能エネルギーの有効活用や産業用モーターの省エネルギー規制への準拠でも、高効率でスマートなパワー・エレクトロニクスが技術開発の焦点になっている。
インフィニオン テクノロジーズ ジャパン
インダストリアルパワーコントロール(IPC)
事業本部長
針田靖久氏
「こうした技術トレンドを背景に、新たな価値を持つパワー・エレクトロニクス応用製品市場は着実に成長しています」と語るのは、インフィニオン テクノロジーズ ジャパン インダストリアルパワーコントロール(IPC) 事業本部長の針田靖久氏だ。太陽光発電向けのパワーコントロールシステム(PCS)の出荷は、2016年から2022年に掛けてギガワット・ベースで年率11.6%成長する見込みだ※1。さらに、家電製品のような身近な機器も同じく、エアコン、洗濯機、冷蔵庫などモーターで動く家電製品のうち、インバーター化した製品の市場は、2020年は3.1%減少が見込まれているものの、2020年から2023年に掛け年平均成長率(CAGR)は3.2%の成長が予測されている※2。
パワー・エレクトロニクス技術の進歩と応用製品市場の成長は、社会と時代の要請に応えるパワー半導体ソリューションがタイムリーに提供されることによって実現する。その上でインフィニオンのIPC事業本部は、「We empower a world of unlimited energy(無限のエネルギーの世界に力を与える)」をビジョンに掲げ、スマートで効率的なエネルギーの活用を支援するパワー半導体ソリューションを提供している。
図1 電力のサプライチェーン全体をカバーする多様なパワー半導体ソリューションを提供するインフィニオン
インフィニオンは、パワー半導体市場で技術開発とビジネスの両面で世界をリードする半導体メーカーだが、足元で求められる技術の高度化と需要増への対応は、現状の同社の力をもってしても有り余るほど著しいものだ。そこで同社は、高度なパワー半導体ソリューションを、より多様な用途で潤沢に活用できるようにするため、大きく3つの施策を実施している。それが①システム・レベルで最適化したパワー・ソリューションを生み出す「体制の整備」、②需要の高まりへタイムリーに対応する「生産体制の増強」、そして③業界をリードするSiCの分野における「生産規模と低コスト化の要請への対応」だ。詳細を見ていこう。
※1 出典:Based on or includes content supplied by IHS Markit, Technology Group, “PV Inverter Market Tracker”, Q4 2018
※2 出典:Based on or includes content supplied by Omdia, "Home Appliance Database: All Devices and Associated Electronics", April 2020
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August 27, 2020 at 10:59PM
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