前回の記事でBCN総研の木下智裕部長は、4月第5週(4月27日~5月3日)を次のように予想していた。「前年が10連休で全て祝日という特殊なカレンダーでかなり売れた週だった。その週との比較になるため、前年トントン程度と予想する。テレワーク特需は落ち着きつつあるものの、まだ堅調に推移している」――。
このように、前週からの大きな落ち込みは織り込み済みだった。集計対象となる前年同週の2019年4月29日~5月5日が、すべて休日だったためだ。
むしろ、今年は新型コロナウイルスの拡大防止策として全国で緊急事態宣言が発令され、家電量販店でも休業や営業時間を短縮する動きが広がったり、消費者の外出自粛が強く促されたりした悪条件にもかかわらず、前年比113.4%という数字をたたき出したことは、依然としてテレワーク需要が強いことを感じさせる。
下の棒グラフの推移をみると、より分かりやすいだろう。これは2018年11月第1週を100とした指数推移を示すもので、19~20年指数で4月第5週が192.9を示している。18年11月第1週よりも1.9倍の販売台数規模だったという意味だ。その前の週の4月第3週(194.5、2)や4月第4週(180.5)と比較しても遜色のないほど、高水準を維持していることが分かる。
GW後半戦の5月第1週(5月4~10日)はどうなるのだろうか。木下部長は、「GW期間中もPC販売は好調を維持しており、前年比170%程度になるだろう」と予想する。その理由として、「昨年より休日が2日多い週となるため、通常の平日との比較では数字は20%程度よくなるが、これにテレワークやオンライン教育用の需要が加わるため、それを大きく上回る見込み」と分析する。
前年比の推移を追うとジェットコースターのような乱高下が目立つが、指数推移を見れば、テレワークや子どもの教育用端末などの需要の底堅さが分かる。(BCN・細田 立圭志)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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May 10, 2020 at 03:17PM
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